パアララン・パンタオ物語2
- 2014/04/30
- 23:25
友人が、20年来フィリピンのゴミ山のフリースクールを支援している。「パアララン・パンタオ物語2」は、その学校の記録でもあり、友人の活動記録でもある。この記録は楽しい。生の声だから。そして不可能を可能にしていく記録だから。どこにもお金がないのに、主催のレティ先生が増築工事を再開すると宣言するくだりなど、とても楽しい。200万円必要、でもどこにもお金はない。友人はワタワタと助成金を申請するが通らない。...
『子は親を救うために「心の病」になる』
- 2014/05/03
- 12:02
『子は親を救うために「心の病」になる』高橋和己 ちくま文庫 タイトルが強烈ですが、ものすごく面白かった。「真の解決は、親が子を救い出すのではなく、子に親が救われるのだと分かった時に訪れる」多分これが、全頁を通しての通底音なのですが、何が面白いって、4章「親とのつながりを持てなかった子の不思議な訴え」5章「心の発達段階の最後、「宇宙期」とは何か」全体のほぼ1/2をしめる家族システムが成立しない場合の症例...
『図書室の魔法』上下 創元SF文庫 ジョー・ウォルトン
- 2014/05/03
- 19:38
ヒューゴー賞・ネヴュラ賞・英国幻想文学大賞受賞作。なのですが、お話というより、本を読んで生き延びたすべての子どもたちへ、そしてSF傑作へのオマージュとなってます。受賞ははなばなしいけど、きっと作品の出来以上にみんなくすぐられたんじゃないかな。だって出てくる作家や作品が…ル・グウィン『ゲド戦記』『所有せざる人々』『風の十二方位』アン・マキャフリー『竜の探索』『竜の戦士』トールキン『指輪物語』ゼラズニ...
子どもに図鑑を買うならば!
- 2014/06/13
- 20:45
まもなく発刊される学研の『LIVE』。子どもの図鑑といえば小学館の『NEO』と学研の『ニューワイド』という二強の世界に、講談社が『MOVE』で殴り込みをかけたのが、2011年でした。売りは、記事の充実ではなくて、とっつきやすさ。NHKの動画が1時間ついている図鑑。内容が薄いということで、最初各社とものんびり構えていましたが、あれよあれよとシェアを伸ばしていきます。やっぱり今はもう視覚情報優位の時代。出...
与謝蕪村のエッセンス
- 2015/07/20
- 08:13
通勤途中、車の中で日曜美術館を聞く。与謝蕪村の特集をしている。実はこれまでさほど気に留めてはいなかったのだけれど、イマジネーションの広大さにびっくりする。菜の花や月は東に日は西にとても絵画的で大好きな句。日と月と一面の菜の花。だけれど現実に目にした光景ではないんだなと初めて理解。するとぐっと、面白味が増してくる。稲妻や浪もてゆえる秋津島稲妻のさらに上から見る日本。ほととぎす平安城を筋かいに碁盤の目...